はじめに:働き盛りを直撃する、育児と介護と仕事の両立の波
現在、30代から40代の働き盛りの世代を中心に、「子育て」と「親の介護」が同時に進行する「ダブルケア」に直面する人が増えています。また、一つの家庭や近い関係性の中で複数のケアを抱えている場合も、広い意味のダブルケアといえます。
また、広義のダブルケアとしては、一つの家庭や近しい関係性の中で、複数のケアが重なるケースも含まれます。
※1調査によると、育児と介護のダブルケア状態にある人は全国で約25万人、その平均年齢は39.6歳とされています。これはまさに、キャリアを築き、さらなる成長を目指す時期と重なります。
しかし、時間の制約や心身の疲れから板挟みになったり、介護の負担が増えることで仕事にも影響が出たりと、両立に不安を感じる人が増えています。このように、働 く介護者 の増加は、現代の大きな社会課題となっています。
育児と介護が重なった時、「キャリアの危機」をどう回避するか

ダブルケアを経験するビジネスパーソンは少なくありませんが、「評価が下がるのではないか」「周囲に迷惑をかけるのではないか」といった不安から、一人で抱え込んでしまうケースもあります。
こうした状況を避けるには、早い段階で体制を整えることが重要です。介護をすべて自分で担おうとせず、親の変化に気づいた時点で介護の相談窓口である「地域包括支援センター」に相談し、専門職とつながることで負担を分散できます。
また、育児も介護も「チーム」で支えるという意識を持ち、配偶者や親族、専門職と役割分担を行うことが有効です。自分は全体を調整する立場に回ることで、無理のない両立が可能になります。
さらに、日々のタスクを整理し、自分にしかできないことと任せられることを切り分けることで、外部サービスも活用しやすくなります。その結果、時間と心の余裕を確保することにつながります。
フリーランスという働き方がもたらす可能性

こうした状況において、働き方の柔軟性は重要な要素になります。その選択肢の一つが「フリーランス」です。
会社員の場合、制度があっても周囲への配慮から活用しきれなかったり、異動によって両立が難しくなることがあります。一方でフリーランスは、働く時間や場所を自分でコントロールしやすいのが特徴です。通院の付き添いた手続き対応と仕事を柔軟に組み合わせることができます。
また、成果ベースで評価されるため、ライフスタイルによる評価への不安を感じにくい点もメリットです。決められたアウトプットを出すことで、安定した信頼を築くことができます。
さらに、ライフステージに応じて仕事量を調整できる点も重要です。負担が大きい時期は稼働を抑え、落ち着いたら戻すなど、無理なく働き続ける選択がしやすくなります。
まとめ:抱え込まず、続けるための選択を
ダブルケアは誰にでも起こり得る現実です。そして短期間で終わるものではありません。だからこそ、「どう乗り切るか」ではなく「どう続けるか」という視点が重要になります。
すべてを抱え込まず、外部の力を借りながら体制を整えることで、無理のない形に変えていくことができます。そのうえで、働き方を見直すことも一つの選択肢です。
キャリアか家族かを選ぶのではなく、どちらも続けるための方法を見つけていくことが、これからの時代に求められています。
出典:内閣府(男女共同参画局)「平成27年度 育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」