現在55歳。 私のキャリアは30数年前に遡ります。
日本のSIer(システムインテグレーター)と通信キャリアという二つの組織で、専門技術者として歩んできました。
キャリア初期の約20年間は、社会インフラを支えるネットワークエンジニアとして、現場の最前線に立ってきました。
その後は、高度化する脅威に対峙するセキュリティエンジニア、さらに社内IT戦略を担う情報システム部門へと役割を広げ、多角的な視点を養ってきました。
現在は外資系企業にて、セキュリティコンサルタントとして活動しています。
私が働き始めた頃は、インターネットが普及し始めた変革期でした。
その波の中で、日本企業の栄光と苦戦の両方を内側から見てきた世代でもあります。
当時の私は、昇進こそが成功だと信じていました。
技術者でありながら、組織の中で上を目指し続けた結果、上場企業の本部長という立場に就きました。
けれど、その肩書きを得たとき、心のどこかに静かな問いが残りました。
「私は、本当にこれを望んでいたのだろうか。」
組織の成果を追い続けるうちに、技術そのものへの純粋な探究心が薄れていたのではないか。
そしてもう一つ。
このまま組織のレールを走り切ったとき、肩書きを外した自分には、どんな「手札」が残っているのだろう。
その不安が、私に学び直しを決意させました。
これまでも資格は取得してきました。 IPAのネットワークスペシャリスト、PMPなど、組織内での責任を果たすための資格です。
しかし55歳からの学びは、意味合いが違いました。
CISSPをはじめ、セキュリティやクラウド、アジャイル分野で実務に直結する学びを重ねました。
それは単なる資格取得ではありません。
年齢に関係なく、もう一度エンジニアとしてコミュニティの輪に入り直すための挑戦でした。
勢いではなく、覚悟を示すための行動だったのだと思います。
これから私が目指すのは、特定の組織に依存しない働き方です。
中小企業やベンチャー企業など、高度専門人材を常時抱えることが難しい組織に対し、必要なときに、必要な深さで、知恵と経験を届ける。
「外部の知恵袋」として、誠実に伴走できる存在でありたいと考えています。